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参院選序盤 情勢調査記事
7月11日投開票の参院選の序盤情勢について、新聞各紙(朝日、読売、日経、産経)や共同通信社の調査が6月26~27日の紙面に掲載されている(26日に朝日新聞、読売新聞、日経新聞、27日に産経新聞、共同通信社※共同は加盟社の紙面に掲載)。
今回の参院選で注目される民主党の議席数について、朝日、読売、共同は「過半数超え」に「微妙」と見出しをつけた。また、菅首相が選挙前に勝敗ラインとして掲げた「改選54議席」という目標には、日経が「上回る勢い」、一方での産経が「下回る可能性」とした。
新聞各紙や共同通信の、参院選情勢調査の記事要約は以下の通り。
朝日「民主 過半数微妙 参院選序盤本社情勢調査」
【民主】
▼選挙区で伸び悩み、50議席台前半。非改選合わせて単独過半数(122議席)はきわめて微妙。
▼12ある2人区では自民と議席を分け合いそうな選挙区が目立つ。
▼大阪など3人区の5選挙区でも、前回獲得した9議席に届くか微妙。
▼04年に19議席、07年に20議席を獲得した比例区は堅調で、19議席前後の見通し。
【自民】
▼1人区で民主とほぼ互角の戦い。40議席台をうかがう。
▼前回、1人区では6議席しか取れなかったが、今回は群馬、山口など8選挙区で優勢。島根などでもやや先行。
▼だが、3人区以上では思うように支持を伸ばせていない。2人擁立した3人区の千葉では、1議席にとどまりそうで、5人区の東京でも1議席確保に懸命。
▼比例区では、前回14議席を下回る11議席前後で、これまでの最低になりそう。
【みんな】
▼みんなの党は選挙区、比例区合わせて10議席ものぞめる状況。
▼千葉で議席獲得が有望になっているほか、東京、神奈川、愛知では当落線上で争う。2人区の兵庫でも当選の可能性を残す。
▼選挙区で4議席前後、比例区でも5議席前後を固め、上積みを図る。
【公明】
▼東京や大阪で着実に組織を固め、やや優位な情勢になりつつあるが、比例区では6議席前後にとどまりそうで、改選11議席の確保は難しい。
【共産】
▼東京で競り合っている。比例区では3議席前後の見通しで、改選4議席を確保できるかどうか。
【社民】
▼比例区の1議席にとどまることもありえる。
【改革、たちあがれ、国民新】
▼それぞれ比例区で1議席得る可能性。
▼調査時点で投票態度を明らかにしていない人が小選挙区で5割、比例区で3割
▼20近い選挙区で最後の1議席をめぐり予断を許さない展開。終盤にかけて情勢が大きく変わる可能性も。
▼24、25日の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に電話をかける「朝日RDD」方式で全国47選挙区と比例区の情勢を調査。有効回答数の目標は、改選数1の選挙区800~1000人、改選数2の選挙区1000~1200人、改選数3と5の選挙区は1500人。作成した番号サンプルのうち、世帯用と判明した番号は全国で計7万4706件、有効回答は4万6980人。回答率は63%。
読売「与党過半数は微妙 参院選序盤情勢 本社3万人調査」
【民主】
▼比例選で強さを見せるものの、選挙区選で苦戦を強いられ、獲得議席は50程度にとどまる可能性。
▼連立を組む国民新党も厳しい戦いをしており、与党の過半数(122議席)維持は微妙な情勢。
▼1人区のうち、岩手、山梨、滋賀、奈良、岡山で優勢だが、北陸や山陰、九州など保守地盤が強い地域で自民党に後れを取っている。
▼2人区は、民主党と自民党で議席を分け合い、1議席ずつ確保する可能性が高い。
▼3人区はいずれも混戦。5人区の東京は民主党が1議席を確保し、2議席目を自民党やみんなの党などと競り合っている。
▼比例選では強さを発揮し、過去最多の20議席に迫る勢い。
【自民】
▼参院選のカギを握る1人区で優位に立つなど、前回参院選の議席を大きく上回り、50議席に迫る勢い。
▼1人区の群馬、石川、和歌山、佐賀、沖縄で先行するほか、さらに10以上の選挙区で当選をうかがう。
▼比例選では、伸び悩んでいるが、全体では改選議席の38を大きく上回り、50議席に迫る勢い。
【みんな】
▼大幅に議席を獲得しそう。比例選で好調なほか3人区などでも善戦しており、獲得議席数で民主、自民両党に次ぐ第3党の座を公明党と争う。
【公明】
▼候補を擁立した3選挙区で当落線上の接戦を繰り広げている。
【共産、社民、たちあがれ、新党改革】
▼それぞれ改選議席確保に向け、激しい戦い。
▼投票態度を明らかにしていない有権者は選挙区選で3割弱、比例選で2割弱いるため、情勢は終盤にかけて変化する可能性がある。
▼調査は6月24日、25日の2日間、全国の有権者を対象に電話で実施。有権者がいる世帯5万1381件のうち、3万440人から回答を得た(回答率59%)。
日経「民主「改選54」上回る勢い 参院選情勢 本社調査」
【民主】
▼菅首相が勝敗ラインとする改選54議席を上回る勢い。
▼12ある2人区の多くで自民と議席を分け合う公算が大きい。5つある3人区でも、1議席を確保したうえで、2人目の候補がみんなや公明と争う構図が目立つ。
▼勝敗の行方を左右する29の1人区では、民主候補が自民候補に先行するところが多いものの、なお、半分近くの選挙区で激しく競り合っている。
▼比例代表では、民主が2007年の前回選で獲得した20議席前後を確保する見通し。
▼50議席後半に達する勢い。
【自民】
▼複数区でも東京、千葉を除けば「1選挙区1人」に候補を絞り、区の多くで1議席を固めつつあるが、都市部では民主や、みんなの党とのつばぜり合いが続いている。
▼比例代表で徐々に議席を減らしているので、前回並みを維持できるかが焦点。
【その他の党】
▼みんなの党は比例代表で健闘。
▼公明は改選11議席を下回る可能性。
▼共産、社民、国民新も現有勢力の維持が難しい状況。
▼有権者のうち選挙区で3割弱、比例代表で2割弱が投票先を決めていない。投票日までの各党の動向や投票率も結果を左右する可能性があり、情勢は流動的。
▼調査は日経リサーチが24、25日の2日間、乱数番号(RDD)方式で電話で実施。全国の有権者5万1381件のうち、3万440人から有効回答を得た。回答率は59.2%。
産経「民主失速 参院選序盤情勢 首相目標「54」下回る可能性」
【民主】
▼菅内閣発足直後は単独過半数に迫る勢いを見せていたが、全般に勢いが衰え、国民新党と合わせて過半数維持に必要な56議席は難しくなった。
▼全国29の1人区で民主圧勝の風はなく、民主と自民がほぼ同数の議席を獲得する見通し。民主優位と見られていた秋田、鳥取、長崎なども自民と横一線。
▼改選2、3、5の複数区では、民主の共倒れ懸念は薄まりつつあるが、2人区での複数当選は困難、3人区でも複数当選は微妙な情勢。
【自民】
▼民主の失速が巻き返しにつながっていない。1人区の一部や、新潟、京都などの2人区で票を固めているが広がりはみられない。
【みんな】
▼菅政権発足でいったん下降傾向となった党勢が、消費税増税問題で再上昇に転じた。
▼比例で5議席以上は確実とみられ、選挙区では3人区の愛知などで議席獲得の可能性。
【公明】
▼選挙区の3人が優位で当選圏だが、比例は6年前に得た8議席の確保は厳しい。
【共産、社民】
▼比例でそれぞれ3、2議席前後。
【国民新、改革、たちあがれ】
▼国民新、改革はいずれも比例代表で1議席獲得をうかがう。
▼たちあがれは議席に手が届くかが焦点。
共同「与党 過半数は微妙 共同通信 参院選調査」
(※毎日新聞6/27日朝刊掲載)
【民主】
▼29の1人区では、このうち岩手、奈良、岡山、徳島、高知などで優位。
▼12の2人区では、自民と1議席ずつ分け合う状況。5ある3人区と、5人区の東京でも民主、自民が1議席をほぼ固め、東京、神奈川では民主が2議席目を視野に入れる。
▼比例代表では10議席台後半。
【自民】
▼29の1人区では、和歌山、佐賀、宮崎などで優勢。
▼比例代表では10議席台前半。
【公明、共産、社民】
▼それぞれ公明11、共産4、社民3の改選議席の維持が微妙。公明党は選挙区で3人を公認し、いずれも優位か当選圏に迫る。比例は6年前の8議席と同数の確保は難しい。
▼共産、社民両党はそれぞれ3、2議席程度の情勢。
【みんな】
▼比例で6議席程度確保しそうで、3人区の愛知でも1議席を得る可能性。
【国民新、改革、たちあがれ】
▼国民新、改革はいずれも比例代表で1議席獲得をうかがう。
▼たちあがれは議席に手が届くかが焦点。
▼調査時点で約5割の有権者が投票態度を決めておらず、終盤にかけ情勢が大きく変化する可能性も。
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